減価償却とは建物の価値は時の経過により減少し貸主の負担になるという考え方により、入居年数が長くなると原状回復の負担額が少なくなり
クロスやクッションフロアは6年入居すると退去時の費用は1円になると言う考え方です。
多くの管理会社・大家は減価償却を行わず退去費用の全額を借主に請求しますが、減価償却を行い正当な原状回復費用を支払いましょう。
減価償却は襖紙や障子紙、畳表などの消耗品以外のほとんどの物で行えます
減価償却は過失が有っても、故意が有っても、契約違反が有っても行えます
管理会社が過失があると減価償却が出来ないというのは嘘です。
例えば、クロスを不注意で破いてしまった場合、クロスの張替え費用は借主の負担です。
しかし、破損部分も経年変化・通常損耗をしており、その分の経費を家賃として支払っており、借主は補修費用からその分を差し引いた額を負担すればよいわけです。
クロスを入居1年で毀損させた場合と入居10年で毀損させた場合を比較すると、10年の場合は1年の場合よりも大きな経年変化・通常損耗があります
この場合に修繕費の負担が同じであると賃借人相互の公平を欠くことになります。
そこで、賃借人の負担については、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが妥当になります。
耐用年数・経過年数とは物の使用可能な期間になり財務省の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で決まっています。
■壁紙、クッションフロア、カーペット・・・6年
■畳表替、障子紙、襖紙・・・消耗品で経過年数は考慮しません
■フローリング・・・経過年数を考慮しません。
※フローリングの全部を張り替えた場合・・・建物本体の年数になります
■室内ドア・玄関ドア・扉・建具・・・建物本体の年数になります
■石膏ボード・・・建物本体の年数
■カーテン等の繊維製品・・・3年
■流し台・・・5年
■洗面台給排水設備・・・15年
■トイレの給排水設備・・15年 トイレの便座・・・8年
■ユニットバス・・・建物本体の年数
■網戸破れ・・・8年 網戸本体・・・15年
■エアコン・ストーブ、インターフォン・・・6年
■金属製以外の家具(タンスや本棚等)・・・8年
■金属製の器具・備品・・・15年
■その他の器具・備品・・・8年
*耐用年数については全ての設備についての記載はありません。
ガイドラインにはクロスの原状回復は6年住むと1円と記載されていますが、実際どうなのかは別です
私の感じでは管理会社の半分ぐらいはガイドラインを守っていて6年入居すると原状回復費用は1円になっています。
半分は6年入居しても減価償却はなく、原状回復費用は100%借主負担になっています。
退去費用で相談が多く、金額が多く変わるのは減価償却です。
適切に減価償却を行うと10万円などあっと言う間に変わってしまいます。
減価償却にはたくさんのガイドラインや判例があり、管理会社も裁判になると減価償却が行われることを知っています。
知っていながら請求していますので、減額される可能性がある原状回復費用になります
個人で交渉するには簡単で1番交渉しやすく金額が減る可能性があります。
見積書を揃えプロに相談ください。
クロスの張替え費用(耐用年数6年)が8万円なら、過失が有っても3年入居の場合は、8万円×(6分の3で50%)で4万円が貸主負担になり、借主は4万円の負担になります
5年入居の場合は、8万円×(6分の1で約17%)で14,000円が借主の負担になります
6年住むと借主負担は1円になります
クッションフロアの張替え費用(耐用年数6年)が4万円なら、過失が有っても3年入居の場合は、4万円×(6分の3で50%)で2万円が貸主負担になり、借主は2万円の負担になります
入居5年で4万円×(6分の1)で6700円が借主負担になります
6年住むと借主負担は1円になります
長谷川行政書士事務所
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