退去時のハウスクリーニング代は大家の負担が原則です。
ただし契約書にハウスクリーニング費用として〇〇〇〇円と金額の記載がある場合は借主の負担になります。
また退去時に通常の掃除が行われていない場合や、たばこを吸い、ペットを飼い汚れ臭いがある場合にはクリーニング代が必要になります。
契約書にクリーニングを支払う特約があるが金額の記載がない場合や具体的な掃除方法などの記載がない場合については争いがあり支払う必要がある事例と支払う必要がない事例があります
クリーニング代を支払っていても、支払う約束が有っても退去時に通常の清掃は必要になります。
退去時に通常の清掃が終わっていない場合は別途ハウスクリーニング代が請求される可能性があります。
国土交通省のガイドラインには
退去時の通常の清掃とはゴミ撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回り清掃、換気扇やレンジ回りの油汚れ掃除などの通常の清掃を行っていればよく、入居時のようなワックス掛け・消毒や綺麗な清掃をする必要はありませんと記載されています。
入居時のようなワックス掛け・消毒や綺麗な清掃は次の入居者確保のための化粧直し・グレードアップであり借主の負担ではありません。
*ハウスクリーニング費用については地域や部屋の状況にもよりますが、都内で㎡単価1500円ぐらいが多くなっています。他の都市は1000円~1,200円ぐらいで家賃より低い金額が目安とされています。
間取り |
クーリング費用 |
ワンルーム・1K |
20000~30000円 |
1DK・1LDK |
30000~50000円 |
2DK・2LDK |
40000~70000円 |
入居10年5か月 築62年 平成21年内外装リフォーム 木造128㎡の貸家の退去費用相談がありました。
特約事項に「クリーニングを行うものとし費用は賃借人の負担とする」と記載がありますが、範囲・金額には具体的な記載はありません。
退去費用請求書に128㎡・単価1050円、価格134400円の請求がありました。
「クリーニングに要する費用は賃借人が負担する」旨の特約は、一般的な原状回復義務について定めたものであり、通常損耗等についてまで賃借人に原状回復義務を認める特約を定めたものとは言えないと判断したもの(東京地方裁判所判決平成21年1月16日)もあり、クリーニング特約が有効とされませんでした。
ただクリーニング特約の有効性を認めたものとしては、契約の締結にあたって特約の内容が説明されていたこと等を踏まえ「契約終了時に、本件貸室の汚損の有無及び程度を問わす専門業者による清掃を実施し、その費用として2万5000円(消費税別)を負担する旨の特約が明確に合意されている」と判断されたもの(東京地方裁判所判決平成21年9月18日)がありますが本物件にそのような記載はありませんので認めれません
請求書に数量128㎡とありますが、写真を見ましたが通常の清掃が終わっている部屋がありました。
管理会社の請求は通常の清掃費用も含んだ費用であり不当な請求になります。
一部の部屋で通常清掃が終わっていることを指摘すると管理会社からの請求は半分になり解決になりました。
入居10年を超える借主より、クリーニング費用について契約書で退去時実費負担と記載されているが支払う必要があるのかと相談がありました。
当事務所としては退去時に普通の掃除が行われており、10年という長い期間入居されておりましたので、支払いの必要が無いと判断し管理会社に下記の書類を送付しました。
管理会社から退去時の清掃料の請求は無くなりました。
長谷川行政書士事務所
住所
札幌市厚別区厚別中央2条2丁目3番5号ラファイエ08B
電話番号
090-1307-6332