たばこによるクロスの退去費用の解決事例になります

退去費用の査定

徳島県で2LDKに9年間住んでいた借主様より管理会社から意味不明な事を言われ、煙草によるクロスの張替え費用などで39万円(クロスの張替え費用35万円)の請求が正当な原状回復費用なのかと相談があり査定書を作成しました。

 

借主は9年住んでおりクロスの耐用年数6年を超えていますので退去費用は0円になります。

 

クリーニング費用については契約書に記載が有りますので4万円は正当な請求になり退去費用44000円の査定書を作成させていただきました。

 

借主様から当事務所が作成した査定書4万円で管理会社が承諾し退去費用が約35万円下がったと連絡がありました

 

 

タバコヤニ汚れ臭いによるクロス・クリーニングの退去費用について

 

煙草による全額借主負担特約を見直し25万円の請求が35000円になりました

 

 


退去費用の査定書
退去費用の査定書

管理会社の見解

管理会社の見解

「室内で喫煙されれば着色・臭いが発生することは明白であり、それでもなお、喫煙されたとなればその行為は「故意(未必の故意)」です

もし、万が一「着色するなんで知らないし、分からなかった」と主張されたとしても、それは「重過失」にあたり、故意と同等の責任が発生します

しかも、その程度は清掃で落ちるものではなく、クロスの全面張替えと特別消臭作業が必要になることは、説明の必要もないことでしょう」とメールで述べられています。

 

タバコを吸ったことは故意・重過失だから減価償却は行わないと

 

故意重過失があっても減価償却は行われます

 

根拠もなくタバコを吸ったと減価償却のない退去費用・原状回復を請求する管理会社はたくさんありますが、ここまで法律的根拠を捻じ曲げた管理会社は今までありませんでした。

 

上場企業の関連会社の社員ですが、会社で何も言わないのでしょうか

私には信じられませんが

出来ることならメールの発信者を公表したいですが

  

借主様の希望で法律的見解を説明してほしいと依頼があり、いつも以上にガイドライン・裁判所の考え方などを査定書に記載しました。

当事務所の見解

ガイドラインには

クロスの耐用年数は6年と記載されています

 

裁判所などの見解

建物賃貸借契約書に禁煙と記載がない場合は煙草を吸っても契約違反ではありません。

ただ煙草を吸いクロスを汚し、匂いを付けたことは、クロスを綺麗に利用する義務があるにも関わらず、壁紙の掃除を怠り汚した借主の特別損耗であり過失です。

 

未必の故意・重過失違反ではありません。

 

タバコを吸い汚したこと、臭いを付けたことは特別損耗だが特別損耗でも減価が可能だと判決が出ています。

 

また重過失とはただ重たい過失ではなく、故意と同程度の過失があるということでありこういう場面では使わない言葉なのですが

 

勉強不足な管理会社がたくさんいます。